フィールドミュージアムの試み 展示会

せんだいセントラルパーク
フィールドミュージアムの試み

私たちは、自然のままのフィールドに、市民が“私はこう考える”といった視点を与えることで、新しい価値や魅力を伝える機会がつくれると考えています。せんだいセントラルパークで、その時その場所にしか生まれない「フィールドミュージアム」という取り組みを始めました。

展示内容の一部をウェブで公開しました。
http://sendai-cp.net/field-museum

 

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smtピクニックをしました!

秋晴れの日曜日、せんだいメディアテークの1階がオープンしたと聞きつけて、ハンモックなどを持ち込み、ピクニックしてみました。

10月2日(日) 道ゆく人たちとのちょっとした交流を楽しみながら佇みました。 続きを読む

「モノ派美術家〜高山登の世界〜」レポート

現代美術市民講座「モノ派美術家〜高山登の世界〜」
2016.1.23 @国際センター駅2階

青葉山コンソーシアム(国際センター・国際センター駅2階・青葉山交流広場を管理運営する組織)が主催する講座に参加してきました。講師の高山登さんの、70年代の「もの派」が生まれた背景や、高山さんが最近よく見るアウトサイダーアートについてのお話でした。すこしメモ的な内容をレポートしたいと思います。

12512578_10207496032193054_6174076241225338960_n東西線開業を記念して市民参加型でつくられた『海嘯からの再帰』(高山登)

 

まずは国際センター前の『風の輪』を例に挙げた現代美術の解説から始まりました。

メビウスの輪は位相数学の概念でいろんな作家が美術作品にして、その走りがMax Bill(バウハウスの流れを引いたアーティスト)
こうした現代美術とは20世紀のことだったり、第2次世界大戦後のことだったり、評論家によって捉え方が異なる。(モダンアート:近代美術、コンテンポラリーアート:現代美術)

日本での現代美術とは何なのか。日本は「敗戦」ということを理解しようとせず終戦としてしまい、自分たちの文化を否定して西洋の美術を取り入れた。
ただ西洋人からは西洋美術を勉強した作品を見てもアートがないと評され、日本の価値を見直すことになりピアノの先生が和太鼓もやらされるようなことも出てきた。
「東洋のアートは何なのか」というところで生まれてきたのが「もの派」(ジャーナリズムによって付けられた。高山氏は「もの派」にカテゴライズされることを否定していた。)

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世界各地を巡った展覧会「MONOHA展」

 

「MONOHA展」作品を写真で紹介しました。
・手を触れようとしている写真
・青森のコールテン作家の作品
・リーマンの版画
・石と電球
・箱の中の電球(高松二郎)
・スポンジに鉄の箱を載せたもの
・床に糸を張っただけのもの(原口)
・天井から石をぶら下げただけの作品
・トラックで使われていたフェルトの上にH鋼が置かれたもの
・炭をつかっているため崩れやすい。(成田)
・木をロープでくくりつけたもの 時代によってつくるものが異なる作家(リー)
・板の表面をいろんな形に削ったもの無造作に壁に立てかけたもの(越水)
・箱の中に石が入ってるだけ
・綿の山の周りに石が散らばっている
・布に廃油を染み込ませたもの(江野倉)
・コンクリートの箱に皮を巻きつけただけのもの
・枕木を並べただけのもの(高山)

70年代の日本の作品はあまり加工していないものをごそっと置いたもの
(高山氏の作品は加工をしている枕木を使用)

西洋美術の文脈に入らないアジアの文化としてもの派が誕生した。
高山氏にとってもギリシャ文化にハマらないように東洋文化を表現するのが課題だった。だがリーファン(韓国から日本に密入国)が西洋の哲学で東洋の美術を見出そうとしていた。つまりヨーロッパの人たちは東洋美術にオリエンタリズムを求めていて、それに応えようとしてしまっていた。

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「MONOHA展」について解説する高山登氏

東洋のオリジナルな文化にはアニミズムという考え方がある。神社などにあるような石や木に神が宿っていてヤオロズになる。コンピュータに氏神が宿っている人たちもでてきた。これは特に西洋人にとって理解しようがない。
ジュゼッペ・ペノーネ
太い木の髄だけ削っただけの作品を展示している。古典ギリシャ哲学に則ってつくられたがアニミズムと近い考え方。

「人間がどこから来てどこへ行くのか?」「どこから考え方が来たのか?」
日本は独特の場所。普通は人も文化もつながって常に流れているが、日本は大陸から入ってくるが出ていくところがない。堆積文化。発酵して生まれる漬け物文化。

ヘンリーダーガーの絵画
「DDN JAPAN」http://japan.digitaldj-network.com/articles/9508.htmlより引用
高山さんが、最近よく見ている障害者の作品・アウトサイダーアートの展覧会の代表的な人を紹介しました。

ヘンリー・ダーガー
本人が亡くなってから部屋の中から作品が発見された。誰とも接触しないで作品をつくっていた。彼の部屋にあったのは新聞の端切れや。画材や少女のプロマイド。独身で童貞だった。

無意識の世界を描き出すのが絵描きの仕事。麻薬を飲む人もいたくらいだが、ダーガーはそれを普通にできていた。誰ともコミュニケーションを取らずにいた。
彼の世界はどんなものなのかわからない。自分に向いていたのか、社会に向いていたのか。また少女をよく描いていたが、何のシンボルだったのか。
・スカートをはいた女の子が銃を持っている。
・両性具有の表現もあって、おそらくダーガーは女性を見たことがないのだろう。
・少女の裸姿に男性器がついている。
・引きこもった世界で描かれたものなので、洞窟壁画を解読するようなもの。
・自分が描いた絵は捨ててくれというのが残ってる。
・王国と王国が戦争するというストーリーが多いと言われている。
・蛇と少女、蝶と少女が一体化したような生物。

美術は今の世界観を表現する。アウトサイダーアートは社会と繋がることを閉じて世界観を描いている。そこには我々が知らないことが映し出されている。
高山氏にとっては「人間は何か」という問いが常にある。アウトサイダーアートはマネができない世界。勉強したり何かを乗り越えることでつくるところではないものにヒントがあると考えている。

最後に会場からの質問「最近、気になっている作家はあるか?」に対して。。。
曼荼羅には興味がある。ある程度の型はあるが大部分は個人の世界として描いている。最近ヨーロッパに影響を与えている。

 

美術と向き合う準備は必要ないと考えていましたが、この講座を聞いて社会的背景や作家自身の置かれていた状況を知ることは、来るべき社会に対する構え方を正していくことにも繋がりそうです。

美術作家自らの口から創作のモチベーションを聞ける機会は大変貴重ですので、今後もイベントカレンダーブログで発信していきたいと思います。