回答:三原 征郎さん

  • 活動:「せんだい広瀬川・川がっこう」の名称で、子供たちと川での遊びを通じた体験学習を行っている
  • 場所:三原さんの自宅にて
団体/大学/部署のSCPエリアでの活動や構想内容について教えて下さい。
三原 征郎

河川とその周辺での遊びと学習です。子供達と一緒に竜の口沢に化石採りに行ったり、東北大学の自然史標本館や電気百年館、宮城県美術館などに行って学習したりしています。このほかに、青葉山周辺を歩いて、上から広瀬川を見下ろしたり、自転車で川に沿って上流は八幡地区から下は名取川との合流点や河口まで行って、河川周辺部の変化、橋の形状、野鳥などを観察したりします。川では魚とりや石投げ、夏は泳いだり、霊屋橋の下流でボート遊びをしたりしています。

子供達との川遊びは8、9年くらい前、私が河原で、子供に「何やっているの?」と話しかけられたことから始まりました。今年はおおくの子供達が来ていて、15人~25人くらい。集まる子の年齢がさまざまというのもいいことのひとつ。わたし一人だけで川遊びなどを教えたり、面倒を見たりするには子供の数は7~8人までが限界、参加数の多い現在はサッカーなんかで身体を動かすことに重点をおいてます(サッカー経験者が指導の仲間に加わりました)このごろ珍しい「ちゃんばら」をこどもたちの発案でやってます(もっともかれらは「剣バトル」といってますが。ヒミツ基地も作って。)

今後その活動や構想をどのように展開できると望ましいとお考えですか?
三原 征郎

他グループとの交流

指導者、こども各レベルでの交流

情報交換、遊び場所の相互乗り入れなど

協力者の拡大

SCPエリアの魅力はどういうところだと思われますか?
三原 征郎

河川だけが持つ力
残された自然
すぐ身近にあり年間通じて親しめる、ということ

貴重だと思われる場所や景観がありましたら教えて下さい。

追廻下流部~経ヶ峰(右岸)特に新緑の河畔林。とても美しい。

仙台城址も重要なビューポイントですね。広瀬川を足下に市街を展望できます。城壁の修復工事をする前まで大木にさえぎられあまり見えなかったんです。それが伐採され昔の視界がもどりました。

川は「眺める」存在でもあります。しかしかつてあった展望箇所が失われました。西公園からの展望―天文台周辺からの青葉山の眺め。市民プールの樹木が成長して、展望が失われました。観光的にも「売り」の展望所だと思いますが。

同公園の旧市民図書館周辺―これも同様で川側の藪のため川が見えません。藩政時代に片平丁の通りに植えたという「並松」の最後の一本が残ってます。藪を刈り、「並松」を復元できないか。

片平市民センターの公園(片平公園)もいい景色が眺められます。鹿落坂からの展望―この道路はいずれ拡幅されます。そのさい張り出しの展望所を設けてはいかが。

都市デザインワークスのせんだいセントラルパークの提案をどう思いますか?
三原 征郎

行政(市民にも)に対し辛口の提案、あるいはダメということも必要だと思います。

広瀬川遊歩道は八幡地区から河口部までおおむね線としてはあります。あとは繋げるだけだと思います。かんたんな工事ですみます。いいデザインを提案されてはいかがでしょう。

追廻の奥の崖に向山一丁目へ通じるジグザグ道があります(けもの路といったような。子供の時の探検道で、向山方面に通う高校生の最短の通学路として昭和50年代まで使われた)。それと、竜の口沢の入り口から東北放送TV塔の下まで山道があります。このような八木山と広瀬川を繋ぐルートがあったらいいと思います。

地下鉄東西線の西公園駅が避けられないのなら、あの辺りに人工的なものを集中させることも考えられますね。

基本的には、地下鉄計画の現場の様子を「別の目」でとことん見てほしい。

SCPエリアの中でもっとこうなったら良いと思うところはありますか?
三原 征郎

広瀬川一帯は基本的には「放置」してほしい。手をつけるほど悪くなりますから。やるなら「手直し」ていどに。

片平丁小学校バス停から評定河原に降りる長い階段の降り口に秋保石でできた張り出し型のベンチがありますが、そこは、昭和23,4年に貞明皇太后が来仙した時に眺めを賞されたこともあります。今は自転車置き場にされたり、市の条例の看板が立って藪が生い茂り景観がだいなしになってます。ここに青葉山と広瀬川が一望できる張り出し展望所を復元してほしい。

霊屋下右岸堤防上の通路(遊歩道最適地)が閉鎖されているのは残念ですね。向山への狭い道はバス通りになっていて危ないから、一日も早く通れるようにして欲しいものです。

片平市民センターの公園から霊屋橋へ崖づたいに直結する歩道ができるといいですね(現況は遊休国有地です)

広瀬川遊歩道には拠点がほしい。地下鉄西公園駅に併設できないか。

あったら良いなと思われる、機能や施設、設備などについて教えて下さい。

自動車学校の撤退。もちろん不法菜園も。跡地は自由広場や野生動物エリアに。

西公園の公団アパートの撤去(まもなく契約が切れるはず)。

両岸20mを公共化(100年かけて買収)。特にもともと河川敷だったところを元の姿に戻してほしい。

橋のデザイン、宮沢橋はじめ最近の愛宕橋など戦後の橋はみな平凡なデザイン。大橋や霊屋橋のほかは、絵になる橋がない(「絵をやるひと」「写真家」の言葉)。

評定河原橋は、橋の上に張り出しが作られ眺められるようにベンチがあって、いいと思うのですが、姿は平凡で残念。

米ヶ袋(三丁目・縛り地蔵尊前)から向かいの越路地区に渡る橋(人専用)の復元。戦時中まで板の橋があった)これで広瀬川遊歩道が一本につながる。

大町から大橋へ向かう坂道は川内・青葉山を見やる、仙台の代表的な景観になってます。しかし道路の頭上に巨大な駐車場案内板が2基もあって景観をだいなしにしている(仙台市が設置)。写真を撮ろうとしても、あれが邪魔になる。景観対策室とかいうのを持ちながら仙台市のやることには???がイッパイ。

広瀬川近くには駐車場はいりません。川に沿って両岸どこにでもバス停があり、数分で広瀬川に行けますから。レンタサイクルがふさわしい。

洪水のこわさーおおかたの市民が忘れていることです。広瀬川問題で提案されるかたたちも同様に見受けられます。専門家の意見があまり見られないのが不思議です。

※役職等はヒアリングを行なった2005年時点でのものです。