回答:関口 怜子さん

  • 活動:子供にアートを通じて生きる力を育む創造表現空間「ハートandアート空間 BEI(ビーアイ)」の
       代表をされ、ゆいもりネットというNPOでも活躍されている
  • 場所:東北大学キャンパス計画室にて
団体/大学/部署のSCPエリアでの活動や構想内容について教えて下さい。
関口 怜子

ゆいもりネットでは「目からウロコの~」シリーズというワークショップをしています。これは広瀬川周辺の場所をテーマとして、そのテーマに沿ったインタープリターを用意して行うワークショップです。経ヶ峯や片平丁や東北大学植物園・広瀬川・竜ノ口などをテーマとしました。そこでの今までの活動を整理した冊子などを作りました。この辺りは、教科書というか教科"場"なんですよね。

ビーアイでは、西公園を中心に仲の瀬橋から花壇自動車学校ぐらいまでの広瀬川でいろいろなことをしています。子供達を連れて、川の中を歩いたり、河原にいろいろ持ち寄って串に刺して焼いて食べたり、仲の瀬橋近くのシェルベットをみたり、千貫沢や昔の扇坂を登ったり。また美術館に行って作品に触れたり、メディアテークに行ったりもします。お母さん方も参加しますね。

今後その活動や構想をどのように展開できると望ましいとお考えですか?
関口 怜子

ここにある風景などはものすごい観光資源になると思うんです。ここにデザインセンターを作って、子供から大人まで、街のデザインから物のデザイン、学びのデザイン、生き方のデザインまで、本質を体感できる場を提供したいなと考えています。

SCPエリアの魅力はどういうところだと思われますか?
関口 怜子

ベルリンやフランクフルトなどは街をぐるっと巡れば、街の成り立ちや歴史がわかる様になってますよね。そういう意味ではこのエリアは仙台らしい自然、仙台らしい文化、仙台らしい歴史が詰まった大事なエリアです。伊達政宗様がお茶をするために歩いたとかとか。いやしというかリフレッシュ空間ですね。

貴重だと思われる場所や景観がありましたら教えて下さい。

経ヶ峯、竜ノ口渓谷、植物園。それから仲の瀬橋下のシェルベット、これはほとんどの人が知りませんからね。それと千貫沢。要するに、あの辺り全部ですね。

都市デザインワークスのせんだいセントラルパークの提案をどう思いますか?
関口 怜子

このSCPエリアに注目することがとても重要なんだという、提案への導入をもっと明確にした方がいいですね。なぜこの構想が必要なのかを明確に言う必要があると思います。

このエリアにある場の使い方のイメージ、こうするともっと楽しく使えて、気持ち良いとか。市民にとってもいいことなんだというものをワークショップなどを通じて伝える必要があると思います。

風景がどのように作られたかをしっかり把握した上で、景観について議論してほしい。

この構想の中に参加のまちづくりのシステムがいろいろできて、コーディネートする人がいれば、そして市民も自分達にとって、将来の仙台にとってそれがいいとなれば、きっと動くと思いますから、頑張ってほしいですね。

SCPエリアの中でもっとこうなったら良いと思うところはありますか?
関口 怜子

美術館や博物館などいくつか施設があるけれど、それらの連携がとれていないと思います。誰かが音頭をとって誘導する必要があると思います。

西公園は明治時代のコンセプトがそのまま残ってしまった化石のようです。ここは河岸段丘の上にあるのだから、向こう側が眺められて自分たちの街の歴史を感じれるような、そんなところに例えばいろんなイスが用意されているお休み処のニュースペースで四季を楽しむしかけが必要。連絡するとボランティアの人が来て質問に答えてくれるというような、教科"場"になってほしい。

あったら良いなと思われる、機能や施設、設備などについて教えて下さい。

やっぱりお休みどころが欲しいですね。仙台を杜の都って言うけれど、私はイメージとして都会の喧騒から離れた何かほっとするような場所が欲しいですね。平屋で日本の城下町にあるようなところでおいしい物が食べれるといいですね。そこでワークショップもいろいろ行われていて、それに参加すると心も体も頭もリフレッシュできるような。

自転車や電気自動車があってこの辺りを回遊できるといいですね。

仙台の歴史が一目瞭然できる宝の場所、経ヶ峰を一番良く望める場所にある、自動車学校は仙台の魅力を台無しにしていると思います。

行ってみたい場がある街がいい街で、会いたい人がいる街がいい街で、一緒に何かをやりたくなる街もいい街だと、いつも思っています。仙台も少しずつそうなってきていると思います。

※役職等はヒアリングを行なった2005年時点でのものです。