1、イメージ先行から体験する「杜の都」のシンボルへ
仙台市民にとって、広瀬川は仙台のシンボルであり、愛着をもつ対象となっています(右グラフ1)。しかし、広瀬川を訪れる人は少なく(右グラフ2)、訪れたとしても、「散歩・散策」や「芋煮会」といった特定の活動のみが行われているのが実情のようです(右グラフ3)。
広瀬川とその周辺を市民が利用する真のシンボルとするためにも、市民の潜在的なニーズに対応し、さまざまな楽しみを提供するようなプログラムを用意し、これと連動する空間整備と人材配置を検討する必要があります。
2、仙台のパークシステムの中心に位置づける
仙台の市街地には多くの公園や緑地があります。右図を見ると、せんだいセントラルパークとして注目しているエリアには、公園や緑地が集積し、そこでの活動の頻度も多いことが分かります。
公園や街路樹などの緑地を連続させた魅力的な回遊性のある緑のネットワーク「パークシステム」を導入し、公園や緑地の機能を分担することで、市民の活動の幅が広がることが期待されます。せんだいセントラルパークはその中心に位置づけられる必要があります。
3、地区の特徴や魅力を活用したまちづくりのルールが必要となる
大橋周辺のエリアの多くは、仙台市、宮城県、東北大学などの公的機関に所有・管理され、様々な計画を進められています。それらの計画がそれぞれの主体の目論みだけで進められるのではなく、エリア全体のビジョンを共有し、協調しながら、市民や企業の参画も得ながら、まちづくりを推進する必要があります。
また、青葉山や広瀬川など豊かな自然に包まれたエリアなので、その景観を保全するためのルールづくりも求められますし、豊かな自然の中で暮らせるような、良好な居住環境を創出するためのルールづくりも求められます。
4、回遊できないもどかしさを改善する
このエリアにある魅力的なオープンスペースや施設を巡れたらどんなに楽しいことでしょう。しかし、3つの理由で遊歩道や道路が途切れています。
ただ単に土木的な工事を施し遊歩道などをつなぐだけでなく、高低差の不便さを楽しめるような整備も必要です。