HEALTHY PARKS HEALTHY PEOPLE FRAMEWORK 2020
May 7th Tue.2020 / Developed by Parks Victoria
「HEALTHY PARKS HEALTHY PEOPLE」の実現に向けての指針や、すべきことをご紹介します。このパークスビクトリアのHPHPフレームワークは日本でもHPHPを取り入れていく上での参考になると思いますので、是非ご利用ください。
また、実際に、このフレームワークを元に、せんだいセントラルパークならではの目標像も提示しました。
目次
◉記事紹介①概要
◉記事紹介②HPHPをけん引するパークスビクトリア
◉せんだいセントラルパークのゴールとは?
“HEALTHY PARKS HEALTHY PEOPLE FRAMEWORK 2020”より(サイトの真ん中あたり)
このレポートは、「パークスビクトリア」がHPHPを実行するためのものであり、方針・内容・関係者構築についてまとめられています。
パークスビクトリアの政策にも寄り添いながら、屋外空間での活動や自然・公園と繋がることによる「健康効果と環境への保全効果」を示しています。
※本記事は、必ずしも正確な翻訳であるとは限りません。
翻訳前の英語ページには本来の内容と異なる場合があるので、このことを十分ご理解の上、ご利用ください。
このフレームワークは、利用者も含めた関係者構築を示しており、様々な人々がより活動的に、より自然と繋げられることを目指しています。そのために、7つのゴールと、それを実現するための5つの戦略を提示しています。
・子どもや若者
・運動習慣が少ない、健康に関する不平等・不利益を抱えている人々
・様々な文化的背景を持つ人々
・自然での活動に意欲的な家族
・健康増進や運動に意欲的な高齢者
・前向きで、文化的で、心身ともに健康的な都市だと思ってもらいたい地元住民
HPHPのパイオニアであるパークスビクトリアの役割
・公園の自然的・文化的価値を保存・保護の必要性を提示すること
・コミュニティが心理的・身体的・社会的・文化的・精神的な健康や幸福を求め、公園に訪れるように促すことと、彼らと自然や文化との結びつきを強くすること
・使いやすく包括的なサービス(ソフト)や整備(ハード)によって、印象的な経験や心身に良い効果を提供すること
・地元住民、行政、NGOといったパートナーと、HPHP推進側の連携を促すこと
HPHPの7つのゴール
いずれの年代の人に対しても公園の自然・文化的価値に繋がることで、あらゆる人々の健康と幸福が強化され、さらに公園の良さを広めていくこと。
▼7つのゴール
①公園が自然的な健康効果を持っていると広まり、コミュニティの健康と幸福を向上させること
②社会的、文化的、身体的な障壁のある公園来訪者を減らすこと
③公園において、運動以外でも楽しむ人々が増えること
④公園が居場所となり、精神的幸福と社会的交流が維持・向上すること
⑤健康と交流へのサービスをする人々が、日常的に自然の中で、身体的・精神的健康を診ること
⑥公園での交流を増やしていくことで、活動的な公園の世話をしてくれる人が増え、屋外空間が保たれること
⑦新しい健康と幸福の観光産業ができること
5つの戦略とその適用
【整備計画】 Healthy places and settings=健康になる場所と仕組み
・自然の中での遊び、屋外学習、運動、レクリエーション等を促す持続可能な整備
・運動や挑戦を促す、小道や整備された屋外設備の設置
・心の健康や精神的繋がりを促す、刺激的で、効果の分かりやすい仕組み
【連携・企画】 program partnerships=プログラムパートナーシップ
・普段公園を使っている人やセラピストとも協力すること
・公園での食べ物・飲み物を提供する
・健康や幸福が向上することが、結果的に経済的になるようにする
- 具体策
・最初のステップとなる簡単な自然体験:公園での散歩企画、芸術活動等
・ウォーキング、ランニング、スキー、等のイベント企画
・心の健康に繋がる企画:森林セラピー、茂みを探索するセラピー、ヨガ、芸術等の社会的活動や文化的イベントを通じて自然に繋がるイベント
・セラピーやリハビリテーションと協力
・観光事業者とコラボ
・ボランティア、教育等で、公園の価値を周知
・健康に繋がる食べ物や飲み物を設置
【効果の理解促進】Information and knowledge=情報と知見
・情報を得やすくするためにプラットフォームを作成する
・プログラムを評価してもらうようにする
・他の団体・事業者を巻き込み、活動する
・伝統的知識をプログラムに組み込む
- 具体策
・健康、運動状況のデジタル化
・大学等の研究機関と連携した定量的情報収集
・公園利用を促すアプリ(会員性?)
・部門横断的キャンペーン(緑イベント、シニア向けイベント、等)
【専門家・行政を巻き込む】Leader and advocacy=リーダーと支持
・パークスビクトリアは、公園や人々への論理的な利益を示すけん引役
・環境・医療・交流・教育の関係者は、さらにプログラムに参加していくべき
・パークスビクトリアのスタッフは、HPHPの価値を体現していく役割
- 具体策
・行政機関や食に関わる機関等と協力
・公園の機関とも連携
・健康や社会的な機関との意見交換
【まずは企画者が健康に】Healthy workplaces=健康的な職場
・パークスビクトリアは、健康的な職場のモデルとなる。
- 具体策
・パークスビクトリアに従事する人々の雇用
・健康的、持続可能な食べ物・飲み物の選択
・健康と幸福の情報を、スタッフやボランティアに周知
以上のフレームワークを踏まえ、せんだいセントラルパークの目指すものと、そのために次にやらなければならないことを示しました。パークスビクトリアと共通している部分と、せんだいセントラルパークならではのものがあります。
誰も取りこぼさない
SDGsと同様に、どの年代の人々も、どんな障壁がある人々も取りこぼさない姿勢が必要です。
ですが、仙台やせんだいセントラルパーク周辺には、どのような年代の人々が、どのような障壁を持つ人々がいるのでしょうか?実際に、公園を使うことでどのような健康効果があるのでしょうか?
これらも記事にし、具体的にしていくことで、目指す目標像とそれに向けて行うべきことの具体性・解像度が高くなると考えています。
公園を人々の居場所へ
また、公園を人々の居場所にしたいとも考えています。居場所ということは、来やすいことが大事なのではないでしょうか。近隣の人々が歩いて、自転車で来やすいデザインが大事だと考えます。広域的にも公共交通機関で来る人を想定し、近隣、遠方からの来訪者に配慮したデザインが求められます。国際センター駅等の公共交通利便性が高い、このエリアの強みが活かせます。
使ってもらうという目標に向けては、まず使い始めやすくすることが必要です。そのためには、物理的に使いやすい、精神的に使いやすいということが大事です。物理的には、飛び石設置や公園と河川空間のアクセス確保が、精神的には、公園の効果を知ってもらい、モチベーションを上げること、分かりやすさが必要なのではないでしょうか。
様々な人々を巻き込む
公園利用者、医者、森林セラピスト、観光事業者、イベント企画者、交通事業者、行政等のステークホルダーを巻き込むことが重要です。
少しずつですが、ステークホルダーの特定は進んできており、次にいかに理解をしてもらい、巻き込むことができるかが課題です。
公園利用者に関しては、公園の世話をしてくれる人がいるという強みを活かし、それが当たり前になる空間づくり、やっていいよというのが分かるデザインを考えたいです。
また、仙台のご当地の物産を用いて、健康に繋がる食べ物や飲み物を公園で提供することも良いアイデアです。
継続する(せんだいセントラルパーク独自の方針)
継続のためには、事業化が必要です。「公園センターと音楽ホールと河川空間」で新しい名所にすることができるのではないでしょうか。
以上の目標を達成したとき、せんだいセントラルパークが日本におけるHPHPのプロトタイプになれるのではないでしょうか。